フリーエンジニアの単価事情「値上げ交渉は難しい」

成功の肝は「高すぎず安からず」!!
フリーエンジニアの単価事情
フリーエンジニアになると、自分の技術をいくらで売るかはクライアントとの交渉によって決めることになりますが、お互いにエンジニアの単価事情を知った上での交渉は決して簡単なものではありません。クライアントの方はできるだけ単価が安くて腕のいいエンジニアと契約したいと思っていますし、エンジニアの方はできるだけ高い単価で仕事をしたいと思っています。交渉を納得のいくものにするためには、それなりに説得力のある材料を持っていなければなりませんが、それでもなお難しいのがエンジニアの価格交渉なのです。
エンジニアとしては単価70万円で契約をしたいと思っていても、クライアントがそのエンジニアに70万円支払う価値があると思えなければ交渉はまとまりません。交渉相手に自分の価値を高く見てもらうためには、いきなり高単価での交渉にチャレンジするのではなく、ある程度の実績を作ることを優先した方が後の仕事につながる可能性があります。そのため、最初は無難な単価で仕事を受けて、70万円の価値があるエンジニアだと相手に思ってもらえるような仕事をする方が安全でしょう。もし、最初から単価を高くして契約してしまうと、そこまで支払うほどのエンジニアではないとクライアントから評価されてしまった時に、結局は仕事をひとつ失うことになってしまいます。
クライアント側からのエンジニアに対する評価が良くて、70万円支払うだけの価値があると思ってもらうことができたとしても、クライアントにそれだけ支払う予算がないという場合、いくら価格交渉をしても単価を上げるのは難しくなります。ただ、交渉は駆け引きなので、予算があったとしてもそのことをわざわざ交渉の場で言うことはまずありません。そのため、本当に予算がないのかどうかは、交渉しながらしっかり見極めていく必要があります。クライアントが本当に必要としてくれているならば、予算が許す限り単価を上げてくれる場合もありますし、エンジニアには別にこだわらないという場合、低い単価を提示するなど強気の交渉をしてくる可能性もあります。
高い単価で契約するためにいかに上手に交渉するかを考えるよりも、日頃から質の高い仕事をするように心がけ、クライアントとの良好な信頼関係をしっかり築いていく方が単価の引き上げや維持につながっていくので、クライアントが少々余分に報酬を支払ってでも頼みたいと思ってもらえるようなエンジニアを目指して日々努力することが、結局は単価アップへの近道なのかもしれません。
IT系フリーエンジニアとしての仕事をさらに細かく分類すると、Web・オープン系、汎用・制御系、インフラ・運用・基盤系などの専門職や、開発ティレクターなどの総合的な職種などがありますが、単価事情はそれぞれの職種によって異なっている場合が多く、契約する企業の仕事内容によって同じ職種でも単価には幅があります。全体的には上流工程の方が下流工程より単価が高く、総合的な能力が求められる開発ディレクターが最も高単価となっています。
フリーエンジニアの節税対策は、収入面に大きく結びつきます。家事按分は、フリーエンジニアが知っておきたい節税対策の一つです。家賃や電気代、車代などが家事按分できます。税務署で質問された際にもしっかり応じられるように準備しておくといいでしょう。家賃は仕事とプライベートで家のスペースをきっちり分けていることが、計上する際に大切になるポイントです。光熱費や車も、事業を行ううえで無関係のものは家事按分できないので注意が必要です。
単価アップを目指したいフリーエンジニアは、自分のスキルや実績、クライアントとの信頼関係など、単価アップにふさわしい土台が備わっているかを確認しましょう。クライアントにとって、単価がアップしても引き続き仕事を任せたい存在になれていると、単価アップを実現しやすくなります。また、単価交渉をするには適切なタイミングを見計らうことも大切です。契約更新が決まったときや、客観的に成果を上げられたときも単価交渉に適しています。